2002/01 NO.7
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くらしをつつむ住まいの設計
赤木裕子住宅設計室
〒300-1152 稲敷郡阿見町荒川本郷1343-85
やさしさとゆとりのステージ
赤木住研 赤木裕子住宅設計室工事部
TEL 0298-42-3027 FAX 0298-42-6601

光あふれる住まい
 
N邸(つくば市)2001年8月竣工
リビングの一角がタイル貼り
介護保険の申請
 牛久のOさんからEメールをいただきました。
 「手すりをつけたいんですけど、こんな小さな仕事でもやっていただけますか。」「もちろんです。」
 昨年『福祉住環境コーディネーター2級』に合格したので、介護保険住宅改修の手続からやってみることにしました。ところが牛久市ではまだ前例がないので、認めていないとの事。担当者に状況とこれまでの実績を説明して、受付OKとなりました。その上「これからもいろいろ教えてください。」
 若い担当者の熱心な対応にうれしくなったできごとでした。

我が家のバリアフリー
土浦市 高村義親
3.バリアフリーと床暖に大改造

 新築ならいざ知らず、リフォームに設計士さんを入れるのは、どこか抵抗があったが、信頼する工務店のおすすめなので赤木さんの事務所をお訪ねして、相談がはじまった。赤木さんは、私たちの基本的な要望を聞いて、てきぱきといろいろな案を出して下さった。
 まず、段差を解消して、リビングと和室と家事室を一体化し、バリアフリーにすること。床暖を入れて、火気の安全性と、大気の清浄化、手間いらずをはかること。床暖は赤木さんがすすめた。私たちは贅沢のしすぎ、お金がかかりすぎ、と乗り気ではなかったが、赤木さんの熱心さに押し切られた。余談になるが、今は、床暖は我が家の誇る設備となっている。さて、東側には大きな出窓と床から立ち上がる縦長のはめ殺しの窓、北側はハンドルのついたシャッター式の窓。採光とおしゃれ性をとりいれて、リビングは、12畳から一気に24畳の大きさにする設計図が出来た。柱や壁を取っても大丈夫ですか?と心配する私たちの意見に赤木さんは丁寧に答えて下さった。そしてそのようになった。
 床暖にするならば、気密性と保温性の観点から窓はすべて二重ガラスにすることになった。さらに、機能的で快適な少人数用(基本的には私たち夫婦用)ダイニングキッチンを追求しようということになった。キッチンの主役は妻だから、システムキッチンや収納の最適なものを探して、赤木さんの案内で水戸、東京と展示場を見て歩いた。キッチンの設計では、収納やゴミ処理に関する妻のアイデアも生かされた。さらに、リビングから廊下の段差も解消するため、ドアも交換した。
 バリアフリーの大改造案は同居する両親の足腰の衰えから始まったのだが、どんどん話が膨らんで行った。実は、キッチン改修の話の頃から、急に私たちの老後の姿が見え出したからである。私たちの老後のためのバリアフリーもこの際やろうという気なったのである。
 赤木さんは収納からカーテンレールにいたるまで、女性固有の繊細な感覚を発揮し、家事の主役である妻が満足するような設計図を提示して下さった。もちろん、私も異存がなかった。
(つづく)


最近のできごと 《住研特集》
工夫の楽しさ
 赤木設計に入社し初めて現場を任されたお宅に、竣工後約4年ぶりに伺いました。お父様の具合が悪くなり、手摺が必要になった為です。
 あの頃はとてもお元気で、良く現場を見に来てくれたりしました。そして、たまに渇を入れられたり…そのイメージで再会した私は正直驚き、そしてとてもショックでした。歩くのもままならず、手摺がなければ立っていられないとのこと。お話しするのもやっとの状態に、私は言葉が出ませんでした。
 準耐火建築物のため和室は石膏ボード下地の上紙クロス貼でした。そのために手摺の位置が自由に決められない。かといって変な受け材等は付けたくない。いろいろ考えた結果、受け材を付柱にして違和感をなくしました。その他にも収納扉には取手と手摺を併用して付けてみました。
 施工性・デザイン・機能を考え、試行錯誤しながら工夫する楽しさと、使い勝手の重要さを実感した出来事でした。
(根本)

付け柱は良いアイデアでしたね。これならば後で高さが変わってもすぐに付け替えられます。

車椅子の改良
 現在使用中の車椅子について相談を受けました。初めてのケースでしたが、話を聞きましたところ、「足を乗せるフットレストの角度が変わるようにならないでしょうか!」というものでした。既製品で角度の変わるものもあるのではないかと思い、カタログや福祉機器展で探してみましたが、見つからなかったのです。
 足首の角度を変えない体験をしてみると大変きついものでした。
 そこからが奮闘です。現物とにらみ合いをしてアイデアを浮かべ、図面にすることの繰り返しを重ね、やっと製作に入りました。出来上がりは完璧とまではいえないまでも、要求に即したものであると自負しております。
 組み立てをしながら、人により要望の内容・度合いの違いがあることを実感し、仕事に反映させようと思った次第です。
 (栗山)

車いすに対する不満が多いということを、新聞で目にしました。個々に合わせた改良は必須ですね。

経験を生かす 
 昨年11月に義父が亡くなりました。と同時に私の8年間の介護生活にピリオドが打たれました。
 介護はいつ終わるか分からない「出口の見えない真っ暗なトンネル」だと表現する人がいました。それくらい肉体的・精神的重圧はかなりのものです。しかし、いろんな方の励ましや助言に耳を傾け、昨年度施行された介護保険や行政のサービスを利用するなど、一人の肩にのしかかった重圧を少しずつおろすことが出来れば、真っ暗なトンネルも照明のついた明るいトンネルに変えることができます。
 「介護」という、望んでもできない貴重な経験ができたことを本当によかったと思っています。
 赤木住研は、赤木をはじめスタッフそれぞれがかたちは違っても経験者です。
 お客様との対話の中で、住まい暮らし全般にわたって、ハード面からソフト面に至るまで、皆様のお役に立てるよう努力してまいります。     
(佐藤)

経験してみなければわからないことって、たくさんありますよね。赤木住研の貴重な宝です。


スタッフ     ◆あかぎゆうこ  ◆さとうけいこ  ◆ねもとゆきよ  ◆くりやまとしひこ